すい臓が痛い

すい臓が痛い、背中の痛みはすい臓が悪いの ?

すい臓が痛いすい臓は、胃の裏側に位置する臓器です。そのあたりが痛い、あるいは背中が痛いという症状が続く場合には、すい臓の病気が疑われる可能性があります。

すい臓が痛い場合に考えられる疾患

すい臓のあたりに痛みを感じる場合には、主に以下のような疾患が疑われます。

急性膵炎

酵素が過剰に分泌されたり、膵管を通れずに滞りすい臓そのものを消化し、炎症を起こしてしまう病気です。
みぞおちの痛み、背中の痛みなどの症状を伴います。多臓器不全や壊死部位の細菌感染などによって重症化するケースも少なくありません。
程度にかかわらず、すぐに入院が必要です。軽度であれば、絶食と点滴によってすい臓の機能を損なわずに治すことができます。すい臓やまわりの器官に壊死が生じている場合には、手術が必要になります。

慢性膵炎

長期にわたってすい臓の炎症が続くことで、食べ物の消化、インスリンなどのホルモンの分泌などが不十分になる病気です。40~50代によく見られます。
膵液の流れが滞ることですい臓の正常細胞が破壊されますので、すい臓が線維化したり、膵石が生じたりといったことも起こります。
原因としては、長期間のアルコールの過剰摂取、ストレス、胆石などが挙げられます。
強い腹痛が繰り返される「代償期」の治療では、膵管を緩める薬、炎症・痛みを和らげる鎮痛薬などが使われます。また、内視鏡を用いたステント留置を行い、膵管の狭窄の解消を図ることもあります。
すい臓細胞の破壊が進み機能が損なわれている「非代償期」では、膵消化酵素剤の投与により不足した酵素を補うとともに、糖尿病の合併を予防するための治療を行います。

膵のう胞

すい臓の内部にのう胞が生じる病気です。すい臓の病気として出現するものと、すい臓の病気の合併症として出現するものがあります。
主な膵のう胞としては、仮性のう胞漿液性のう胞性腫瘍(SCN)膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)粘液産生膵腫瘍(MCN)すい神経内分泌腫瘍(P-NET )Solid pseudopapillary neoplasm(SPN)などが挙げられます。
中には悪性腫瘍化し手術が必要になることもありますので、正確な診断を受けることが大切です。

膵臓がん

膵臓がんは、がんの中でも早期発見の難しいがんです。転移も起こしやすく、悪性度の高い種類のがんと言えるでしょう。
はっきりとした原因は分かっていませんが、喫煙、慢性膵炎、糖尿病、肥満などとの関連性が指摘されています。
治療では、手術、放射線療法、化学療法などが行われます。

すい臓が痛いQ&A

私の母が「急に背中が痛くなった、すい臓かな?」と言っていたのですが、すい臓の病気の可能性はあるのでしょうか?

背中の痛みの原因となる病気は、内科、整形外科領域など多岐にわたります。内科的疾患においては、患者様の年齢、背景、症状の出現の仕方(ゆっくり以前からあるのか、ここ数時間で出てきている症状か)などで病気の鑑別診断(予想される疾患を考え症状の合う疾患を考えること)を行います。
例えば、これが夜間の救急外来で背景に高血圧があり、1-2時間前からの急速な背中の痛みの出現であれば、大動脈解離をまず第一に考え、採血、造影CTなどにて検査を行っていきます。今回の急に背中が痛くなった、との症状の出現の仕方ですが、ここ最近胃の調子が悪く、胃カメラもしたが異常ないといわれたものの1ヶ月前から背中の痛みがひどくなったという場合、すい臓の病気の可能性は十分考える必要があります。
すい臓の位置は胃の背部にあり、背中に近い部位にあります。そのため、腹部エコーでは観察しづらく、すい臓は薄い皮膜に覆われておりますが周囲は豊富な血管に取り囲まれているため、癌が発生した場合見つかりづらく、背部痛などの症状も出やすいことが多いです。
他の疾患の可能性も考えつつ、検査を進めていく必要があります。

すい臓がんになると背中が痛くなると聞いたのですが、この3日間ぐらいすい臓辺りに痛みがあります。受診しようかと思っていますが、どんな検査を行うのでしょうか?

すい臓の位置は、胃のちょうど裏側にあたります。そのため、すい臓であると思っても胃、十二指腸から来る可能性もあります。検査としては、すい臓のみを考えるのではなく、胃、十二指腸からの症状も考え、胃カメラ、腹部エコー、膵酵素などを測定する採血検査などを提案させていただくことが多いです。また、腹部エコーでのすい臓の観察には限界があります。すい臓は体表からの超音波検査では膵体部から尾部にかけては胃や大腸などの消化管ガスに邪魔され見えないことも多いからです。症状に応じて、提携機関にての腹部造影CT検査を依頼することもあります。
すい臓の病気というのは非常に診断が困難です。高精度の拡大内視鏡の発達により、超早期の胃がんの発見が非常に増加し、ESD(粘膜切開剥離術)による根治度EAの症例が増加しているにもかかわらず、すい疾患の診断が遅れる理由としては、胃、消化管に隠れて一般的な経腹エコーでは完全に観察することが難しいこと、非常に初期のすい癌は造影剤を使用した腹部CTにても診断が困難なことが挙げられます。しかし、この10年において胆膵疾患分野では超音波内視鏡(EUS)の導入による胆膵疾患の早期発見が目覚ましく増加しています。腫瘍マーカーが増加傾向にあり、すい癌が強く疑われるがダイナミックCT、MRCPにても明らかな腫瘍が認められない場合は、超音波内視鏡による精密検査が行われます。その場合は、提携病院に紹介させていただきます。

朝起きると背中が痛みます。みぞおちのちょうど裏側ぐらいです。体のだるさもあるのですがすい臓の病気ではないかと心配です…

すい臓がんは、極めて悪性度が高く、進行も早いがんであり、周囲の神経や血管に広がっていくことにより、背中の痛みとして症状が出ることが多いです。夜も眠れないほど背中が痛かったり、朝に背中の痛みで眼が覚めるなどの症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。

すい臓が痛む、背中に激しい痛みがある方は一度当院までご相談ください

すい臓が痛む、背中に激しい痛みがある方は一度当院までご相談くださいすい臓のあたり(みぞおち)が痛む、背中が痛むというときには、先述したようなすい臓の病気が疑われます。
病気の種類や進行の程度によっては命にかかわることもありますので、「気のせいかな」と感じたときにはすぐにご相談ください。
より高度な検査・入院・手術が必要になったときには、速やかに提携する医療機関をご紹介します。

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